「枕営業」とは、ホストクラブを舞台としたドラマやマンガではおなじみの言葉ですね。
肉体関係を結んでお客さんに営業することで、水商売の世界のみならず芸能界でも当たり前の営業方法。
ホストはお客さんに「疑似恋愛」=「彼氏感」を提供して楽しませるお仕事ですから、「ホストと肉体関係をもてる!」というのを積極的に喜ぶお客さんもいます。
なかには、「大金を出してでもホストと寝たい!」と、積極的に枕を狙う強者(?)の女性も……。
女性は肉体関係を結ぶと強い情が生まれ、「相手のために尽くしたい!」という気持ちが生まれるもの。
ホスト側はその気持ちを利用して、お金を落とさせようとするわけです。
具体的には、女性客に対して「寝た代わりに店でシャンパン入れて」というのが常套手段ですが、セックスのあとに直接高額なお金をお客さんから直接的に手渡しするというパターンもあります。
営業時間外、同伴やアフターの時間にに枕を行なうことが多いようですね!
じつは、ひと口に「枕営業」とっても、さまざまな種類があります。
キャバクラと異なりホストクラブは永久指名制なので、大体の女性客は初回来店時に選んだホストをずっと指名することになります。
そのため、ホストとして売上をあげるには、この新規客をしっかりつかみたいところ!
ホスト業界では、お客さんを固定客にすることを「固める」といいますが、初回客をしっかり固めるために枕営業することを「初回枕」と呼びます。
女性客のなかには、ホストの初回枕狙いで初回システムを利用する「初回荒らし」的な客もいます。
しかし、初回枕をするホストは、ホストクラブの情報交換サイトなどに書き込まれ、「初回枕ホスト」として名が知れ渡ってしまうケースも……。
これは、「鬼のように枕営業を仕掛けるホスト」の呼称。
なかには、毎日のように鬼枕で客をゲットしようとするホストもいますが、真に実力のあるホストは、セックスしなくてもお客さんの心を射止められるもの。
つまり、鬼枕をするようなホストは、あまり売れていないという証明ともいえます。
「色恋営業=客と恋人関係になったかのように思わせて売上をあげる営業手法」の一環として行なわれるのが、「色恋枕」です。
色恋営業においては、ホストは女性客に対して「本当の彼氏」として振る舞ってお客さんをその気にさせますが、「どうせ営業でしょ」と信じてもらえない恐れもあります。
その場合は、肉体関係を結ぶのが最も手っ取り早い方法!
先に述べたように、女性は情が深いものですから、いちど肉体関係をもったホストに特別な感情を抱くようになります。
それが売上アップにつながるわけですが、色恋枕は女性客を本気にさせることができるぶん、本カノ気取りになったお客さんとのトラブルリスクが上がるので、ご注意ください!
とくに、複数の相手に色恋枕を行ない、それが客にバレたときは泥沼必須です……。
ホストが「売上をあげたい!」などの目的をもたず、自分の欲求に忠実に好みの女性と肉体関係を結ぶことを「趣味枕」と呼びます。
一般的な枕営業では、好みのタイプではなくとも、ビジネスとして割り切ってセックスします。
「好きな女性とセックスできる!」というのは、日々の過酷な売上競争に疲れているホストの息抜きになったり、「鬼枕」をかけているホストであれば、「たまには好みの女性とセックスしたい!」という気持ちを抱くのかもしれません。
性欲旺盛なホストとしては、「風俗に行くより金がかからないし、メリットがあるしラッキー!」となり、「趣味枕」を繰り返すケースもあります。
さまざまな「枕営業」のパターンがあることからもうかがえるとおり、枕というのはホスト業界ではごくごくありふれた営業手法!
ただし基本的には、お店的には枕を公認することはありません。
あくまでホストによる自由意志であり、それでトラブルに発展したとしても、お店側は「店外のことなので関与していなかった」というスタンスです。
なかには枕営業を「爆弾」として大々的に禁じる店舗もありますが、実際のところ、このあたりはかなり微妙なところ。
お店としては、「枕でもなんでもしていいから、とにかく売上をあげてほしい!」という気持ちがあるゆえか、よほどのトラブルになるような枕でなければ、枕を黙認しているようです。
ただし、枕営業で絶対的に爆弾とされているのが、ほかの指名客への枕!
そもそもの話、担当ではない指名客を横取りしようとする行為じたいが、最大の「爆弾」とされていますが、それに枕を使ったとなるとさらに罪が重くなります。
枕営業で売上を一時的にあげることができたとしても、お客さんとトラブルになったり、爆弾と認定されて多額のペナルティが発生したり……というのでは、失うもののほうが多いのかもしれません。
枕営業をするホストは、昨今ではSNSなどのネット上で匿名情報が出回って叩かれるというケースも少なくありません。
ぎゃくに、「枕営業しないホスト」というのが女性からの人気を集める要因にもなるのです!
ホストクラブを訪れる女性のなかには、「あわよくば憧れのホストと一夜を過ごしたい!」という気持ちで、初回枕を目的とする「初回荒らし」的なお客さんもいます。
しかし、「どんなに売れっ子でも枕はしない」というホストは、かえって「憧れの王子様的存在」として価値が高まり、人気が上がるという可能性も!?
「かんたんに靡かない存在=かんたんに寝てくれない存在」をますます魅力的に感じるというのは、女心の難しいところですね!
「枕ナシでも超売れっ子」というのは、ホストとしての能力が高いという証しなのです♡
ホスト志望のかたであれば、「好きでもない女の子と寝なきゃならないのか……」と不安になるかもしれませんが、無理にそんなことをしなくてもOK!
お客さんとの関係でいえば、「肉体関係=信頼関係」というわけではなく、肉体関係を結んで絆を高めたかのように思えても、その絆は非常に脆いものかもしれません。
もちろん、枕営業を繰り返すホストもいますが、「枕営業しない!」という考え方を大切にして成功するホストもたくさんいます。
売れっ子ホストをめざすなら「枕営業力」よりも、普通にトーク力やコミュ力、気配り力を身につけるのがおすすめです♪